ブログ
【環境激変下での経営のありかたとは】 ~代表 中山 幹男 ~
2020年05月01日
自動車メーカの技術者から経営コンサルタントに転身し、色々なクライアント先の経営活動を支援して、約30年たちますが、この間にリーマンショック、東北震災のように大変な環境変化を経験してきました。そのたびに環境が激変する中で経営を如何に継続するかを最重要課題として経営者と協力して色々な知恵を絞ってきました。
企業の使命は、1番目が製品、サービスの提供による顧客への付加価値の提供、2番目が社員を雇う事による雇用機会の創出、3番目が事業を推進する事により、利益を創出し、税金を収める事です。この3つの社会貢献をする事により結果として売上、利益があがります。経営は「変化適応業」といわれ、この社会貢献をする事により結果として利益を得、この創出した利益で外部環境の変化に適応しながら、事業を継続する事が重要です。
・・・松下幸之助さんが不況に勝つ12の知恵を著書で記載されています・・・・
いままで、この環境変化に適応できずに衰退した企業は数多くあります。銀塩フィルムとカメラを生産していたアメリカのコダックという企業はデジタルカメラ、携帯電話の普及により、需要がなくなり倒産しました。同じ業態の富士写真フィルム(現在は富士フィルム)はいち早くカメラ市場の変化をとらえてカメラ事業からヘルスケア、化粧品事業に業態を転換し成長しています。
まさに経営は事業を継続する事「ゴーイングコンサーン」の為に環境の変化を敏感に捉えそれに適応すべく事業体を変化させる事が重要で富士フィルムはこの典型例です。
・・・・余談ですが、新型コロナウィルスの処方薬として期待されているアビガン錠は富士フィルムの子会社が開発した薬です。・・・・・
一方で現在の足元を見てみると世界中を巻き込んだ新型コロナウィルスの蔓延は未曽有の環境変化です。当初は中国のごく一部の感染症問題と捉えていましたが、気が付いたら全世界に蔓延して人の健康と経済活動を阻害する状況になっています。新型コロナウィルスを撲滅する為に経済活動は世界中停止状態で、倒産する企業がかなり出始めています。売上がゼロになる一方、従業員の給与、家賃等の固定経費の支払いを余儀なくされている企業が多くあり、経営者は先がみえない不安に方向性を見失っている状況です。
しかし、経営は事業を継続する事が大原則で、この環境変化を黙ってみているのではなく、逆にチャンスと捉え、現在の事業内容の総点検、そして新規事業の可能性を探る事が大切です。好調な時はなかなかこのような事が出来ないからこそ、実施すべきと思います。
当社はコンサルティング事業で企業の日々発生する諸問題を改善、解決する事が本業ですので、今回の新型コロナウィルスで発生した色々な新たな課題、例えば営業活動が満足にできない、生産ラインを停止せざるを得ない、忙しい時に普段できない改善をしたい等を浮き彫りにして解決策のサポートを実践していく所存です。
こんな時だからこそ、企業の使命の「1番目の製品、サービスの提供による顧客への付加価値の提供、2番目の社員を雇う事による雇用機会の創出」はかならず果たす事が重要と考え、経営者は行動していきましょう。
【不況に勝つ12の知恵 松下幸之助著より】
1.腹をくくる
覚悟し、用意をする
2.志を変えない
決して悲観をしない/経営理念を守る
3.策は無限にある
どんな困難も打破できると信じる
4.今は大躍進の絶好のチャンス
発想を180度変えてみる
5.好況良し、不況さらによし
不況のほうがかえって忙しい
6.不況こそ人材育成の好機
従業員に生きた教育ができる
7.一服して英気を養う
慌てふためかずに休むのが一番
8.不況は天然現象ではない
考え方ひとつでどうにでもなる/なすべきをなし、なすべからずをしない
9.責任はわれにあり
不況だからうまくいかないのではない
10.己を知る
自社の力を正しく判定する
11.衆知を集めた全員経営
首座を保ちつつ知恵を集める/人の力を120%生かす
12.治に居て乱を忘れず
ダム経営が安定した発展を可能にする