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【設計という仕事とは・・・。】 ~中山 聡史~

2020年11月01日

先日の日経新聞に「機械設計者が減少傾向にあって、様々な企業で人材不足になる可能性が高い」

 

という記事を読みました。

 

 

最近は機械設計よりもソフトウェア設計の方が人気が高く、機械好きという人材が少なくなってきているようですね。

 

 

機械設計という業務は、どのようなことが魅力的なのでしょうか。

 

私自身、機械設計に携わるようになってから、振り返ったことがありませんので、今一度、振り返ってみましょう。

 

 

機械設計というのは、市場やお客様が要求していることを機械で実現する。その機械を想像する事です。

 

前回に引き続き、しつこいようですが、図面を描くことが仕事ではありません。

 

さらには1人で機械を想像する事が出来たとしても、様々な経験やノウハウが必要なわけですから、ベテランと相談しながら進めていきます。

 

まさにチームで仕事をするということですね。

 

 

その業務をやり遂げたときの達成感は、実際に機械が出来上がっていくのを自分の目で見て、さらにお客様に使用されているところを見ると感動します。

 

 

私は自動車の設計でしたから、自分が携わった車が世の中を走っていると非常に感銘を受けますし、頑張ってよかったといつも思っていました。

 

そのように達成感をまた感じたいお客様を満足させたい、そのためにいかなる難しい要求でもその要求を満たすことができる構造を想像する、

 

まさに機械設計の醍醐味ですね。

 

 

そんな中、難しければ難しいほど経験&ノウハウが必要になってきます。

 

その経験&ノウハウを企業に蓄積しなければならないのですが、それは最低限の品質を満足するための話であり、

 

最終的にお客様を十分に満足させることができるのは人の能力です。

 

 

その能力は日々の業務の積み重ねであり、先輩たちから受け継がなければなりません。

 

その受け継ぐ仕組みで重要なのが私は検図だと考えています。

 

検図というのは、図面や様々なドキュメントを見ながら、設計者と検図者が話をしていきます。

 

その話をしている最中にノウハウや経験が活用されるのです。

 

 

検図者は図面を見ながら、後工程である製造部門で問題が起きそうな箇所を指摘します。

 

また、お客様の手元に渡ってから、品質トラブルになる可能性のある箇所を指摘します。

 

その指摘というのはドキュメント類を見ながら、設計者の意図を理解し、過去の経験とノウハウから問題を指摘するのです。

 

 

設計者は指摘された部分をなぜ指摘されているのかを十分に理解しながら、自分の設計内容を修正しながら、図面を変更していきます。

 

 

この設計内容を変更するときに、想像した設計意図を修正することが非常に重要です。

 

ただ単に検図者の指摘でそのまま図面を修正してはいけません。

 

設計意図を修正するのです。

 

そうすると検図者に指摘され、変更しなければならない部分以外にも問題点が見つかります。

 

検図といっても万能な仕組みでないことは皆さん、理解していると思います。

 

「最低限の品質を満足しながら、若い設計者に経験とノウハウを継承していく」

 

これが本来の検図の姿です。

 

 

この本来の検図の仕組みが日本のすべての企業で構築することができれば、機械設計の経験とノウハウが継承され、機械設計も実は面白いということが広まり、

 

設計者の減少に歯止めがかかるのではないかと考えております。

 

 

皆さまもぜひ検図をノウハウと経験の継承に活用してください。