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【企業とITの現状とこれから】 ~民本 裕貴~
2021年04月01日
こんにちは、専門コンサルタントの民本です。
今回は、企業経営とITについて少しお話をしようと思います。
今年も感染者数の急増による第4波が騒がれている新型コロナウィルスと昨今の働き方改革が相まって、
企業のデジタル化、IT化の需要が一層高まっています。
特に新型コロナウィルスの流行移行、ZoomやTeamsなどのオンライン会議アプリを活用する場面は
非常に増えましたね。
これに伴い、企業経営におけるIT戦略の位置づけも多いに高まっているため、様々なIT投資を行って
おられることでしょう。
しかしながら、IT投資は導入期間も含めて考えると、効果が出るまである程度の時間がかかること、
またシステムの活用度によって導入効果が左右されるため、IT投資はその効果がわかりづらい投資の
ひとつと言えます。
IT投資は今後も増加することを考えると、企業におけるIT投資の効果測定を適切に行うことは、
経営を進める上で大きな課題です。
IT投資の投資評価方法で代表的な手法は以下のものが挙げられます。
①PBP:Pay Back Period(回収期間法)
⇒キャッシュアウトフローが何年後に回収できるかで投資案件を評価する手法です。
これは設備投資などでも用いられる手法ですね。投資効果が比較的定量化しやすい既存業務の
効率化を目的としたIT投資で使われることが多いです。
②BSC:Balanced Score Card(バランスト・スコアカード)
⇒こちらもご存知の方は多いかもしれません。
BSCは「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という4つの視点から投資案件の
有効性を評価する手法です。投資効果が定量化しづらい企業全体のシステム基盤の構築に伴う
投資に適用されることがあります。
また、IT投資に伴うコストの基本的な考え方も意識する必要があります。
システム導入に伴うコストは、従来は導入(構築)時のハードウェアおよびソフトウェアの導入費用で
評価することが多かったのですが、現在はクラウド化や小型化等に伴い、導入時より運用費用の方が
相対的に大きくなる傾向にあります。
したがって、システム導入の意思決定を行う際は、導入時の費用だけではなく、導入から運用までの
すべての費用を考慮する必要があります。
例えば、運用に伴いかかる費用には「ユーザーサポート」「ソフトの更新」「セキュリティ対策」などの費用があります。
このように、多くの企業でIT技術の導入が活発に進んでおりますが、このような技術を活用し、
経営戦略や事業戦略を実現するためには、計画的、かつ体系的な人材育成も重要となってきます。
大手企業やIT関連企業でよく見かけるCIOという役職を見かけますが、多くの中小企業ではほとんど
見かけることはありません。
CIOは「Chief Information Officer」の略で、最高情報責任者や情報システム統括役員という役職を
意味しています。CIOは「経営」「現場「IT」の3つの視点で、全体最適を考えながらIT戦略を
立案・実行推進する先導役として、重要な役割も持ちます。
そこで、政府はCIOが活躍するために必要な情報提供を行う目的で「政府CIOポータル」というものを
運営しています。そこではCIOのミッション(役割)を以下の3つにまとめています。
①情報活用による経営戦略の創造
企業内外の事実に基づく情報を組織的かつ系統的に蓄積、分析、活用し、経営戦略上の各種意思決定に
有用な知識や洞察を生み出す仕組みを作り、新しいビジネスを創造する。
②全社横断のビジネス変革
部門や組織を越えて、グローバル全体を横断して、ITを活かした「ビジネスモデルの変革」
「ビジネスプロセスの変革」を推進し、企業の競争力向上に貢献する。
③ITガバナンスの確立
企業グループ全体のIT活用を俯瞰し、業務、情報システムの構造とともに、企業グループ全体の
IT部門の機能と役割を変革し、企業の“全体最適化”実現に貢献する。
上述したように、このようなことが出来る人材の貴重性が年々高まっていることもあり、
多くの中小企業では人材確保が困難な状態が続くものと考えられます。
このような面でも、我々のようなコンサルタントをうまく活用することで、より効果的なIT投資を
実現することが出来ます。
最後に、これからもIT技術の進展により、多くの業務は自動化や効率化がなされていくことになります。
IT技術は非常に汎用性が高いため、どの業種においても、IT技術の活用度合いが今後の企業の生存に
大きく関わります。
是非、現状のIT資産の整理、そして今後活用していくべき技術の検討やIT人財の組織内での育成など、
出来ることから取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。