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【天職を見つけるアプローチ ②】 ~下川 哲平~
2022年11月01日
皆さま、こんにちは!
A&Mコンサルト、専門コンサルタントの下川でございます。
10月に引き続き、第2話「天職 ~ アプローチ」について、お話します。
前回は「夢からの天職」までお話いたしました。
1.求められており、やりたい想いがあるけど、まだできないこと=「夢」
2.意欲的にやっているけど、特に誰からも求められていないこと=「趣味」
3.求められており、それに応えることができているけど、特別な想いはないこと=単なる「仕事」
昨今、ユーチューバー・プロゲーマーといった趣味・娯楽を職業に発展させるといったケースも増えてきました。
ブログ著者(下川)の話ですが、会社から業務指示されるわけでもなく、自らの意欲・関心で複数の研究会の運営に携わっていましたが、
その後これらの活動がきっかけでNTT西日本のオープンイノベーション施設の職につきました。
これは「趣味からの天職」だと言えると思います。
改めて文字に起こしてみると、とても幸せなことに気が付きます。
しかしながら、幸運にも夢や趣味を職業にできる人が実際にどれだけいるでしょうか?
そもそも趣味が職業になることはとても稀だと思いますし、夢はなんだ、想いはなんだと聞かれても、誰もがそう簡単に答えられるものではないでしょう。
実際には、まず要求があって、それに一所懸命応えるうちに、できるようになって、「仕事」になる。このプロセスが多くの人の現実ではないでしょうか。
その営みの中から、たとえ小さくとも楽しみや、やり甲斐が見つけられることができたとすれば、それは天職だと思います。
はじめに夢や想いがなくても、社会や会社の要求を肯定的に捉えて取り組めば、納得をもって働くことができる天職を見つけることはできると思います。
(もちろん自分に合うもの合わないものがありますので様々な職業に挑戦することは必要)
三重県でブライダルレストランを経営しているクロフネカンパニーの代表で、講演家の中村文昭さんはこのように言っています(※2)
・夢がなくても悲観しなくていい。夢のない人間は人を喜ばせて生きていけばいい。
・頼まれごとは試されごと。人生は頼まれごとでできている。
そのとおりだと思います。
社会や会社や誰かの要請に一所懸命応える。このようなアプローチから、できることややりたいと思えることが増えてゆき、仕事の内容も変化する。
それぞれが相互に影響し合いながら、いつか「天職」も見つかるのではないかと思います。
「夢」「趣味・娯楽」「仕事」どれも大切です。バランスよく取り組めることができれば良いですが、夢が見えなかったり、途中で迷ったりしたときは、
まずは要請に一所懸命応える、そこをスタートラインにするのがよいのではないでしょうか。
最後に、すこし余談です。
日本の現代社会の風潮は、誰かから与えられた仕事に前向きに取り組む構図に対して、極めて批判的だと感じています。
例えば、社畜、ブラック企業、ワークライフバランス(仕事と生活は別)といった、雇用者と労働者を対立構造に置くような流行り言葉は、
その現れだと思っています。
職業選択の場面においても、夢を追い求めて自分がやりたいことを実現すべきだ。
選択の自由を縛るものは悪だ。
という前提があり、人は都会に移り、家業は継がれず、農業・漁業・文化産業は担い手を失い、経済は関東に集約されて地域は衰退しました。
もちろん、長い時間をかけて負のエコシステムが形成された今となっては、家業を継がない人や、地域を離れる人を責めることは到底できません。
(わたしもうどん屋を継ぎませんでした)
ただ、席数の少ない夢を追わされた結果、夢を叶えられなかった人が(物質的には十分豊かなのに)人生をネガティブに捉えたり、
趣味・娯楽などの消費を目的に生きることは、個としても全体としても、とても不幸なことだと思います。
私は、2児の小学生の親ですのでどうしても教育に関心が行くのですが、子どもの教育においては、夢や娯楽だけでなく、
社会の要請に前向きに応えて活き活きと働く人の姿を学ぶ機会がもっとあればと思います。
学校教育でもそうあってほしいと思いますが、しかし、子どもは親の背中を見て育つものでしょうから、
自分自身の生きる姿勢に対して気を引き締めなければと思うのです。
参考
(※2)成功 中村文昭 出会いこそ宝である 沖縄講演会(https://youtu.be/8MMGJCVCjXw)