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【作業の効率化・半自動化】 ~中西 正行~
2023年10月02日
皆さま、こんにちわ!
10月のブログを担当させていただく中西です。
真夏日を連日更新する猛暑も落ち着きを見せてきました。
彼岸花、田の稲刈り中秋の名月など、皆様それぞれ秋の訪れを感じられていることと思います。
当の私ですが、入社後早10ヶ月目に差し掛かっています。
企業様への訪問にも慣れ、プロジェクトメンバーとも打ち解けられ、会議での質問、提案などの発信にも少しは慣れたと感じています。
ですが、まだまだ覚えることが多く、基礎知識の大切さを痛感しています。
勉強の面では、弊社は、コンサルタント業務の他に各種研修を行っておりますので、知識の積み上げと研修の練習を兼ねて、研修に参加させて頂き、
プログラムによっては、講師もさせていただいております。
私の専門分野は、機械設計、製造、品質面の為、製造関連を中心に、企業様の生産改善などに取り組んでいます。
これまでで印象に残っていることとしては、新製品の生産ライン構築プロジェクトの「工数分析」です。
作業の流れを一から分解し、一つ一つの作業方法をゼロベースで、「なぜそのタイミングで行うのか」「なぜ現在の作業方法なのか」考え直すと、
想像以上に沢山の「ムダ」を見つけられます。
また、「開発」「試作」段階の組み立てと「生産」段階の組み立てが如何に違うのかが非常によくわかります。
この差が改善内容にはなるのですが、設計で配慮できていない内容の変更は難しく、
「コンカレントエンジニアリング」や「DR」の重要性に改めて気づかされます。
さて、近況報告は以上とさせて頂き、次は、前回のブログで触れた「作業の効率化」「半自動化」について、お話しさせて頂きたいと思います。
デスクワーク作業の自動化と言えば、広義ではRPA(Robotic Process Automation)が有りますが、
もう一つ小さな括りの、Microsoft Office のExcelが入っていれば誰でも使える、 VBA通称”マクロ”について、考えてみたいと思います。
近年はセキュリティ面やブラックボックス化から脱Excelマクロを真剣に考えられている方も多くいらっしゃることかと思います。
では、ある会社のとある部門で「Excel マクロはセキュリティの面でも、将来性の面でも不安が有るため部署内では使用禁止とする。」
という方針を出された場合、
それは根拠のある正しい判断でしょうか?
仮に、RPAのツールの積極運用を進めている職場でなければ、この考え方は不十分と言わざるを得ません。
今、多くの企業が悩まされているのは、「管理されていないExcel マクロの乱立」です。
知らないうちに、様々な重要な処理に組み込まれており、どうやって更新してよいか分からない!!
当然こういったマクロへの対処に道筋をつけることは最重要項目になります。
しかし、担当者が「マクロを使えば、Excel作業を改善出来そう」と思った時、作成にブレーキをかけることは、
視えない所で大きな機会損失になっている可能性が高いです。
そこには2つの理由が有ります。
1つ目として、今、真の問題になっているのは「管理されていない・・・」ことにあります。。
大切なのはきちんと「管理」することで、具体的には、適切な「情報の整理」と時には「予算」を確保することです。
この中の「情報の整理」は、5W1H(いつ何処で誰が何をなぜどのように使うのか)と、対象のツールの「効果・価値」を、定期的に整理しておくことです。
そして価値の有るものには、きちんと予算を付け、「継続性のあるツール」として会社の資産にして行かなければなりません。(脱Excel VBA ⇒ RPAなど)
そして2つ目は、改善活動により生み出される効果は、時間短縮効果だけではないということです。
特に、私自身が感じる大きな副次的な効果としては、教育・人材育成効果が挙げられます。
私の経験上からですが、マクロなどの簡単なプログラムを用いて業務の生産性を改善する作業は、想像以上に作成者を成長させる効果が有ります。
私自身、過去にVBAで書かれた複合機のAgingツールを引き継ぐ機会が有りましたが、機能の追加に非常に苦労した覚えが有ります。
作成者が既に退職されていたことも有り、最終的には解読をあきらめ、一から書き直しましたが、大変な労力がかかりました。
しかし結果として、色々なことが学べました。具体的には、外部機器からの情報取得、データ管理、ネットワークなどのシステムの知識に詳しくなれました。
また費用対効果を考えて業務を行う癖も付いたと思います。
この経験から言えることは、普段私たちの生活・仕事で触れる機会の少ない、プログラミングの世界に簡単に触れられ、その効果を体験できるツールとして、
Excelマクロはなかなか画期的な学習・実践ツールではないかということです。
はじめにお話しした”きっちりとした「管理」“の下に、上手く活用出来れば、現時点において、Excel業務従事者にとってのマクロは、
最も簡単なRPAツールに他なりません。
そして、小さな業務単位であっても、担当者が自主的にプログラムを学習し、仕事に活かし、小さいながらも成果につなげる
改善のプロセスがそこに詰まっています。
ツール使いこなせるようになるにつれ、情報の収集、分析、管理、グラフ化、印刷、メール自動発信、書類の間違い探しなど、幅広い分野で活用出来、
作業時間を半減、場合によっては1/10以下に出来る場合も有ります。
ツールを使いこなし、仕事を楽にすることを通じて、関連する情報、システムの知識が必要となりますので、自ずと調べる癖も身についていきます。
実際にマクロを通じてプログラムの仕組みを理解し、ソフトやシステムの開発・導入に際して意見が言える人材が世間では多く育っているのではないでしょうか。
最後に、企業の競争力の維持・向上の為に、DX,RPAと言ったデジタルツールの活用はもはや避けては通れません。
一方で、RPAを導入する為には、実業務とシステムを連携させて考えられる人材、業務改善を推進出来る人材が必要不可欠です。
Excelマクロに限らずですが、誰もが気軽に使えて、業務改善できるツールが提供されているか否かは、
その事業の将来性にも少なからず影響してくると考えます。
皆様の職場においても、どのようなツールが導入され、活用できるのかを改めて確認し、将来的にどう移り変わっていくべきなのかについて
話し合ってみては如何でしょうか。
「目の前の仕事を自動化出来た時の喜びは、仕事が面白いと感じる瞬間であり、やる気の源泉です。
どの職場でもそういった体験が沢山出来る環境であって欲しいものです。」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。