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「ムダの見つけ方」 ~代表取締役社長 中山 聡史~
2024年10月07日
皆さま、こんにちは。
代表取締役社長の中山聡史です。
今月のブログはわたくし中山が、ムダの見つけ方についてお話ししたいと思います。
最後までお付き合いください。
さて、皆さま、働き方改革として、効率的な働き方を求められているため、様々な企業が、業務のムダを見つけて効率化に取り組んでいるでしょう。
しかし、その「ムダ」の見つけ方は本当にあっているでしょうか?
私が関わっている多くの企業では、この「ムダ」の見つけ方を感覚だけで抽出してしまっている場合が多いのです。
この感覚的な抽出の仕方では、ある人にとっては「ムダ」でないことを「ムダ」だと判断してしまい、
そのムダを削減した結果、逆に効率が悪化してしまうこともあります。
そのため、ある理論に基づいて、「ムダ」を見つけなければなりません。
私は、前職の職場でこのようなことを言われ続けてきました。
「ムダを見つけるためには、ムラを探し、ムリをしている業務内容を見つけなさい」と言われておりました。
この内容をもう少し分かりやすく説明すると、「ムラがあるから、ムリをしてムダが発生する」という事です。
ムダを削減するためには、問題の真因(本当の原因)である「ムラ」を探さなければならないのです。
この考え方を模式図と設計者に当てはめて考えてみましょう。
定時で帰れるのが、真横に伸びる線としましょう。
設計案件の難易度や量によって、日々の業務時間が変動します。
この変動=「ムラ」と捉えます。
この「ムラ」が発生しているときの設計者の心の中はどのようになっているでしょうか。
「今日は明日の試験に間に合わせるために、残業しなければならない。
でも、月の残業時間の上限を超えそうだし、出来るだけ早く終わらせよう!」と考えるでしょう。
本来、2時間程度かかる試験内容の計画や評価項目の選定などを、過去の試験結果を参考にし、1時間程度で終わらせ、早く帰宅します。
その結果、試験の選定基準が間違っており、試験のやり直しとなってしまう。
この出来事は、次のように表せます。
①残業しなければならない=ムラ
②早く帰らなければならない=ムリ
③試験のやり直しが発生する=ムダ
となってしまうのです。
これが本来の「ムダ」であり、このムダを見つけるためには、「ムラ」を見つけ、業務の平準化を図っていく必要があるのです。
多くの人が勘違いしてますが、ムダ取りというのは、業務内容のムダを削除するのではなく、
手戻りややり直しで本来必要のない時間を削減することを意味しています。
本当にムダな業務が元々あるかもしれませんが、そのようなことは稀であり、
効率的に仕事を出来ていないのは、手戻りややり直しが90%以上だと考えております。
設計業務であれば、残業が多い人と少ない人の業務の進め方を分析していく必要があるでしょう。
例えば、「CADで図面を描くのに時間がかかっている」のような問題があったとします。
その時間がかかっていて、非効率になっている原因を聞くと、CAD操作に慣れていない、スキル不足、教育不足という回答が多く返ってきます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
設計インプットをされてから、いきなりCADを操作をしていませんか?
CADはあくまでも図面を描くツールであって、構想内容を検討するためのツールではありません。
構想内容を考えながらCAD操作をするとどうなるでしょうか。
CAD上でやり直しにつぐやり直しを行っているハズです。
このやり直しに多くの時間を割いてしまっていては、時間がかかるのも当たり前です。
一方、残業が少ない人の仕事の進め方を見ると、構想内容をポンチ絵や手書きで検討し、その構想の方向性や考え方が間違っていないか確認し、
さらには上司にその内容を確認してもらって、最後にCADを操作しています。
結果、CAD上でのやり直しはほとんどなく、最小限の時間で図面を作成しているのです。
このように、効率的な働き方をするために、まずは時間の「ムラ」の原因を調査してください。
いきなり「ムダ」を見つけようと思っても難しいでしょう。