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【自己紹介と最近のニュースについて】 ~山口 幸輝~
2023年06月01日
皆さま、はじめまして。
2023年1月に専門コンサルタントとして入社いたしました、山口幸輝と申します。
今月のブログは・・・。
①私の自己紹介
②私が最近興味を持っているニュース
についてお話しさせていただきます。
①私の自己紹介
大学では機械工学を専攻していました。
卒業後は、重工業業界で発電事業に約17年従事し、原子力発電、ガスタービンコンバインドサイクル発電、石炭火力発電、
燃料電池発電事業に関わってきました。
いずれの発電方式でも機械システムの設計を担当しました。
私のライフワークの一つは、ニュースを見ることです。
私は中小企業診断士の資格を取得し、本年MBAも取得しましたが、これらを成し遂げられた理由の一つは、
様々なニュースから成功事例や失敗事例、経営理論を学んだ蓄積があったからです。
そこで今回は、私が最近興味を持っているニュースについて取り上げてみたいと思います。
②私が最近興味を持っているニュース
「PBR1倍割れ企業1800社、なぜ東証が改善要請?」⇐(クリックでリンク先に飛びます。)
日本は欧米と比較してPBR1倍割れの企業比率が高く、プライム市場とスタンダード市場に上場する企業の5割超が該当するそうです。
ここでPRBとはPrice Book-value Ratioの略で、株価純資産倍率と呼ばれるものです。
つまり、
PBR=株式時価総額÷純資産=(株価×発行済み株式数)÷純資産=株価÷株価÷(純資産÷発行済み株式数)=株価÷一株当たり純資産(BPS)
という関係になっています。
PBRが1倍割れということは「企業が保有する資産額の合計よりも全株式の価値の方が小さい」ということなのです。
「じゃあ、もう会社の資産を全部お金に変えて株主で持ち株分ずつ分けた方がいいよね!」という話になるため、
会社の存在価値が疑われるのです。
実際にはそう言い切れませんが、上場している企業として投資家から失格とみなされているのです。
そんな企業が多く上場している日本市場は「投資する魅力がない」と思われて、投資家が逃げてしまいかねません。
そこで、危機感を抱いた東証は、PBR1倍を下回る要因の分析や具体的な改善策の開示といった対応の要請をしているのです。
では、どのような対策があるのでしょうか。関連するニュースを見てみましょう。
「目覚める万年割安株 PBR1倍割れ、問われる本気度」⇐(クリックでリンク先に飛びます。)
記事を読む前に、まずはPBRと利益率の関係を紐解いていきましょう!
PBR=株式時価総額÷純資産=(時価総額÷純利益)×(純利益÷純資産)=PER×ROE
ROE=純利益÷純資産=(純利益÷売上高)×(売上高÷総資産)×(総資産÷純資産)=売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ
これらの関係から、PBRの向上策としてはROEの向上がポイントになります。
ROEを向上させるためには、
(1)売上高純利益率
(2)総資産回転率
(3)財務レバレッジのいずれかを向上させる必要がある
ここで記事の中で注目していただきたいのが下記のグラフです。
(注)日経新聞記事より抜粋
PBRが高い企業ほど利益率が高くなっています。
つまり、PBRを構成する要素はたくさんありますが、利益が出る商売をきちんと行うことが重要だと記事は説明しています。
もう一つだけ別の記事を見てみましょう。
「PBR改善こそ日本株底上げの上策」⇐(クリックでリンク先に飛びます。)
記事では企業価値を算出する「残余利益モデル」について紹介しています。
PBR=1+α
ここでαは、α=(ROE-資本コスト)÷資本コストである、と言っています。
記事では任天堂を例に説明されていますが、例えば信越化学工業を例に考えてみます。
まず資本コストを8%とします。したがって⓪は8%とします。
PBRは記事と同じで2倍とすると、②はPRBから1を引くだけなので、以下のようになります。
ROEも記事の16%とすると「エクイティスプレッド=ROE-資本コスト」なので、以下のようになります。
最後の現在価値が分かりにくいのですが、継続価値の考え方を用いて計算しているようです。
今回は詳しい説明を省略しますが、αの計算式で計算したものが⑤なので、以下のようになります。
つまりαを先ほど紹介した計算式で計算してみると、PBR=1+αになることがわかります。
このようにニュースを複数見ることで、様々な視点でPBRを学ぶことができるわけです。
そして最後に以下の記事を読むと、一つのニュースだけでは見えない視点が得られていることに気づきます。
今回一緒にニュースを読んでみていかがでしたか。
こうやって様々なニュースを見ることで、点と点が繋がって線になっていきます。
そしてそれが未来の力になります。
ニュースを見ていると興味深い記事がたくさんあります。
今回、紙面の関係上で紹介しきれていないニュースもまだまだあります。
これからも定期的に紹介していければと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。